湯沢冬花火・スイートメモリーズ〜明鼓煙火店レポート
2003年12月より2004年3月まで行われた過酷な雪山(?)での花火師の装備と実際のイベントの様子をご紹介します。
  ☆鈴木花火師に聞く!冬花火Q&A(打上編 )
Q: 打上現場へはどうやって機材を搬入するのですか?
A: 現場にもよりますが、スノーモービルや雪上車で運びます。
Q: 設置してから打上までの間、雨や雪で花火はしけませんか?
A: ナイロンやシートを掛けて防水対策をしています。 
Q: 火をつけるのはどうやって?
A: ランスといわれるオモチャ花火の様な物や携帯用ガスバーナーを使って点火します。一現場で3回点火します。
Q: スキー客がいると危ないのでは?
A: 保安距離(県で定められた安全を確保する距離)を十分に取り、尚且つスキー場のパトロールの方が見回り、ゲレンデにお客様が居ない事を確認してから打上げるので、お客様に危険はありません。
 
☆花火師装備
 (湯沢バージョン)
A:ヘルメット↓
冬に限らず花火の打上現場ではヘルメット着用です。防水LEDヘッドライト、トランシバー用イヤホン&マイクがついています。湯沢冬花火では観覧場所と打上タイミングの連絡用に使います。

B:防寒ジャケット(上)→

下はインナーを着込んでいます。ポケットは2つ。左に煙草とハンカチタオル、右にオイルライター、小型バナーが入っています。フード付。
別装備:手袋
D:防寒ジャケット(下)→
中はズボンの下にもちろんパッチ(股引)を履いています。下着も含めて上下とも4重に重ね着をしています。
←C:腰ベルト
標準装備
トランシーバー、カッター(必携)粘着テープ、キズ絆創膏、携帯灰皿、ゴミ袋、ランス(※)など。
任意装備
デジカメ、双眼鏡、板チョコ(遭難用)
 
※ランス(点火用ミニ花火)
E:長靴↑
中に中敷きを敷いています。厚手の靴下とさらにその上にインナーを履くため、サイズは大きめで雪が入るのを防ぐため長いものを履きます。インナー→
 
毎回異なる現場(スキー場)で打上があるため標高や天候も毎回違います。上記の装備で寒さはしのげますが、それでも寒い場合は携帯カイロを使います。
各スキー場のご好意により筒を現場に上げるのはソリ、リフト、スノーモービル、ミニブル、時には雪上車で上げていただきます。
設置は打上のおよそ2時間前に行いますが、危険防止のため設置後、現場に残る必要があります。これまでの見張り時間の最長は3時間でした。
一旦設置完了後、見張り要員を残し、湯沢冬花火・スイートメモリーズのセレモニーのため下へ降ります。セレモニー終了後、リフトまたは徒歩で設置場所まで戻ります。設置場所は大体ゲレンデの中腹なのでちょっとした山登りになります。
 
一回に使う花火の球数は小型煙火も含めて総数75発!
吹雪いているけど見えるかな〜。下(観覧場所)と連絡中。
点火用バナー零下でも耐えられる仕様です。
 
  ☆鈴木花火師に聞く!冬花火Q&A(観賞編 )
Q: 夏と違う点は?
A: 澄んだ空気の中、打上げられる花火は色鮮やかで大変に奇麗なものです。また、打上げられた花火が雪に反射し、幻想的な世界を作り出すのも冬ならではの演出だと思います。
Q: 花火の玉に願いを書き込むのは何故?
A: 片貝町を代表として新潟では、玉に願いや思いを込め(直接玉に書き込みはしませんが)神社に奉納する習慣があります。それを解りやすく模擬玉に書き込んで頂いています。
また、火薬(家厄)を焼き払うといった厄払いの意味合いもあるようです。
Q:

寒いので建物の中で見たいのですが...?

A: 花火は、音と光で成立つものと思っています。建物の中だと音が聞えにくいため、少々迫力に欠ける部分がありますので、極力外で見る事をオススメします。
花火自体は1分半程ですので、防寒具と少しの我慢(笑)をご用意頂いて、是非、臨場感ある外でご覧頂きたいと思います。
Q: 点火台と花火は連動しているの?
A: 連動はしていません。電気点火による配線が困難な事と、打上げ現場に花火師が待機している為、安全を考えると連動は難しいのが現状です。
 
代表花火師鈴木がお品書きを読み上げます。→
カップルは4号玉(模擬玉)に願いを書き込みます。→
右の点火台のスイッチを押すと...↓

これが点火台。カップルが緑のスイッチを押すと...。←

花火が上がります。→
3号、4号連続スターマイン。→
最後はカップルご希望の色で締めくくります。(今回は赤)
 
湯沢冬花火・スイートメモリーズ2004は好評のうちに終了いたしました。2005年も開催予定です。
その際はぜひご応募下さい。雪の湯沢でお会いしましょう。